エンジン:空冷900cc Lツイン デスモドロミック※1最高出力:80ps/7,500rpm最大トルク:78Nm/6,500rpm全長:2,050mm全幅:780mm全高:1,060mm重量:172kg
1970年代半ば、ルマン24時間をはじめとする世界耐久選手権を戦っていたドゥカティの速さと強さ、そしてカッコよさに憧れた少年が世界有数のデザイナーとなり、彼らに対する畏敬の念と自身の夢を融合させ、作り上げたのがMH900eなのである。テルブランチと同じように、70年代のレースシーンを観てドゥカティに憧れた人々にとっても、やはり夢がかたちになったオートバイといえる。
MH900eのモチーフになったのは『DUCATI NCR 900 TT1』で、1978年にマイク・ヘイルウッドがマン島TTで優勝したマシンだ。その翌年、ドゥカティはその記念として量産版である『900MHR(マイク・ヘイルウッド・レプリカ)』を発売する。900MHRは瞬く間に人気となり、「速くて美しいオートバイ=ドゥカティ」のイメージを世界中のバイクファンが抱くようになっていった。900MHRはドゥカティの歴史に名を刻むモデルであることはもちろんだが、同時にモーターサイクル史にとっても重要で欠かせないオートバイである。
製作者:ピエール・テルブランチ(ドゥカティ・チーフデザイナー=当時)によりデスモドロミック※1吸排気バルブを開く方向だけではなく、閉じる方向もカムによって強制的に制御するシステム